家庭から出る一般的なごみと違って、産業廃棄物はルールに則って正しく収集・処理する必要があります。ここでは、産業廃棄物の処理の流れについて説明していきます。
産業廃棄物収集から処理までの大まかな流れ
産業廃棄物は、次の段階を踏んで処理までの過程を進んでいきます。
- 分別・保管
- 収集・運搬(積替)
- 中間処理
- 再生処理・最終処分
産業廃棄物取扱事業者は、排出された産業廃棄物をルールに則って分別し正しい方法で保管します。次に、分別された産業廃棄物は許可を持つ収集運搬業者に引き渡され、処理業者のもとに運び込まれます。処理業者は、分別された産業廃棄物の種類に応じた適切な中間処理を経て再生処理か最終処分を行います。
なお、排出事業者が廃棄物を自社処分できない場合、許可を受けた産業廃棄物処理業者に適正処理を委託する必要があります。また、委託後も、廃棄物がきちんと処理されているかどうか確認する義務がありますので、あらかじめ理解しておきましょう。
産業廃棄物の処理段階
中間処理
産業廃棄物を処理する際、まず行うことになるのが中間処理です。中間処理とは、リサイクル工程あるいは最終処分に送る前段階で、廃棄物の容量を減らしたり処分しやすい形状に変えたりする過程を指しています。たとえば、廃棄物の脱水や焼却、粉砕を行ったり、リサイクル工程に回すために選別を行ったりします。
最終処分
最終処分とは、適切な中間処理を施された産業廃棄物を特定の場所で保管することをいい、埋め立てや海への投棄を指しています。なお、最終処分場には安定型最終処分場と管理型最終処分場の2つに分けることができ、産業廃棄物の特性により使い分けされています。
安定型最終処分場
風雨など自然の影響を受け有害物質に変化したりしないよう、廃棄物の状態を安定的に保ち埋め立て保管します。このため、安定型産業廃棄物には有機物が含有されていたり表面に付着したりしていないことが求められます。
安定型産業廃棄物として扱うことができるのは、その性状が安定している以下の「安定型5品目」に限られます。
- がれき類
- ガラスくず,コンクリートくず及び陶磁器くず
- 廃プラスチック類
- 金属くず
- ゴムくず等
なお、安定型5品目と性状が似ていても以下は含みませんので注意しましょう。
- 使用済み空き瓶
- プラスチック容器
- 空き缶
- 有機物質などが付着、混入した廃容器包装
- 廃石膏ボードや鉛、自動車等破砕物など
遮断型最終処分場
基準値を超える有害物質が含有されている産業廃棄物を、風雨など自然の影響を受けない場所に保管します。遮断型最終処分場における処分対象物は、燃え殻・ばいじん・鉱さいなど、中間処理で無害化することが困難な産業廃棄物です。
管理型最終処分場
廃棄物を埋め立てても、土中の微生物により分解が進むことが多々あります。その際、廃棄物から液体やガスが生じることがあり、埋め立て地に染み込めば土壌汚染や地下水汚染を起こしてしまう恐れも想定しておかなければなりません。そこで管理型最終処分場では、廃棄物から出た浸出液を特殊なシートで遮水し、処分場内で水処理する方法をとっています。
まとめ
産業廃棄物の処理の流れは、段階的かつ細かく進められています。分別に始まり、有害物質の無害化やさらなる仕分けを行って処理されているのです。産業廃棄物の処理業者として事業を始めたい場合は、関連法や条例だけでなく自然への影響についても十分理解を深めたうえで、事業者としての許可申請に臨むことが求められます。
札幌市内で産業廃棄物処理業者の許可を取りたい場合は、関連業務を豊富に経験してきた当事務所まで一度ご相談ください。処理業としての許可申請代行に限らず、これまでの経験に基づくアドバイスも行いますので、お問い合わせをお待ちしております。