物流にかかわる営業倉庫を運営する場合、どのような内容を委託代行することができるのでしょうか。ここでは、物流倉庫として委託される業務について説明していきます

 

物流業務の流れと代行可能な委託業務

物流業務のなかでも以下については物流倉庫が委託を受けることができます

 

入庫

外部から物流倉庫に届いた荷物を受け入れ、倉庫内の適切な場所に保管する業務

 

検品

物品の入庫時に、物品に破損や欠損がないか、数量や品目が正しいかなどを確認する業務

 

保管

物流における品質維持・商品価値の維持、市場への商品の安定供給などを実現するための保管管理業務

 

流通加工

入庫または出庫の際に以下作業を行う業務

  • 軽組み立て
  • タグ付け
  • シール貼り
  • 組み合わせセットの確認
  • 物品の仕分け など

 

ピッキング

出荷に備えて倉庫から物品をピックアップする業務

 

出庫

出荷に先んじて物品の梱包を行い発送する業務

 

システム管理

入庫、検品、保管、加工、ピッキング、出庫にいたるまでのシステム一元管理

 

委託される倉庫業者となるためのポイント

倉庫業を事業として営むためには、第三者からの物品委託が欠かせません。委託される物品にもさまざまな種類があるため、倉庫にも適性が求められます。戦略を立てず倉庫を持ち、それから委託元を探すのでは順序が逆になるといえるでしょう。

 

たとえば、倉庫業を営むために重要なポイントは以下の通りだと考えられます。

  • 取り扱いたい物品に適した保管方法はどういうものか
  • 取り扱いたい物品の業界動向はどうなっているのか
  • 委託されやすい倉庫の特徴をどう把握するか

 

取り扱いたい物品に適した保管方法はどういうものか

取り扱いたい物品が、その鮮度維持のために温度管理が必要である場合、冷蔵倉庫や冷凍倉庫の所有が適切であることがわかります。この場合、あらかじめ鮮度維持を要する物品をターゲットとしておけば、倉庫の形態を選ぶ際にも効率的に絞り込むことができます

 

取り扱いたい物品の業界動向はどうなっているのか

取り扱いたい物品の業界動向についても十分アンテナを張っておきましょう。たとえば医薬品をターゲットとする場合、倉庫としても医薬品医療機器等法による許可を取得しておく必要があります。倉庫にも許可取得が必要なのは、当該法では物品の保管方法も工程の一部としてみなしているからです。このように、業界によって倉庫に求められる役割や責任は変わってきますので、事前に十分な情報収集が必要になるでしょう。

 

委託されやすい倉庫の特徴をどう把握するか

委託されやすい倉庫の特徴をどう把握するか、具体的な要素について事前に明確化しておくとよさそうです。料金もさながら、実は立地条件が非常に重要な要素になってきます

 

倉庫までの交通の便

荷主の立場になってみれば、倉庫へのアクセスがいいかどうかは重要な問題でしょう。アクセスの悪い土地に倉庫を建ててしまった場合、運送業者への物品引き渡しから倉庫への入庫まで時間を要することになります。鮮度維持が必要な物品について時間はリスクになりますし、荷主や運送業者としてもタイムスケジュールがタイトになりやすく、勝手が悪い状態になってしまいます

 

立地条件は、委託される倉庫になれるかどうかを分ける重要ポイントになりますので、主要道路沿いなどアクセスを重視した場所に倉庫を建てることを大前提としましょう

 

まとめ

倉庫業として事業を営むにあたり、いかに荷主たる第三者から委託を受けるかは重要問題です。荷主側としては、安く・早く・安全に品物を市場に届けたいのですから、物流の一端を担う倉庫業としてどう貢献できるかを考えれば、おのずと「委託されやすい倉庫」として成長していけることでしょう。

 

当事務所では倉庫業に関する関連法や運送業との関わりなど、深い知見を持っていますので、ぜひ一度お話を聞かせていただけますと幸いです。倉庫建築や取り扱い物品の選定など、事業立ち上げ時に欠かせない事柄を含め、トータルサポートを提供していますので、ぜひご安心のうえご相談ください。