20種類ある産業廃棄物のうち、性状が変化しやすいものを管理型といい、特に指定された5品目を安定型とよびます。ここでは、安定型産業廃棄物の定義や安定型を含む混合廃棄物について説明していきます。
安定型産業廃棄物の定義
廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分けることができ、産業廃棄物についてはさらに安定型産業廃棄物・管理型産業廃棄物・特定管理産業廃棄物の3つに分かれます。
廃棄物の分類
- 一般廃棄物
- 産業廃棄物
【3種類の産業廃棄物】
1.安定型産業廃棄物
2.管理型産業廃棄物
3.特定管理産業廃棄物
「1」の安定型産業廃棄物は、有害物質や有機物が混合されていたり表面に付着したりしていないため、風雨にさらされてもその性状に変化を起こしません。したがって安定型最終処分場に埋め立てられても自然に悪影響を与える可能性が低いことから、次の5品目に限って「安定型産業廃棄物」と指定されています。なお、安定型産業廃棄物のみでできた廃棄物を安定型混合廃棄物とよんでいます。
【安定型産業廃棄物の5品目】
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず
- がれき類
安定型産業廃棄物の処分場は、埋め立てを行っても廃棄物から有害物質が発生したり廃棄物そのものが腐食したりして周辺環境に悪影響を与えることがないよう前提条件を設けています。
混合廃棄物に関する理解も不可欠
産業廃棄物が、安定型産業廃棄物・管理型産業廃棄物・特定管理産業廃棄物の3種類に分けられることは前述の通りです。ただし、分類されているからといって、「安定型のみで構成された産業廃棄物」ばかりを扱おうとしても、それはあまり現実的ではありません。なぜなら、実際の産業廃棄物は安定型・管理型・特定管理型にまたがった性質を持つことが多く、いわゆる混合廃棄物として適切な管理や処分が必要になるからです。
では、混合廃棄物とは具体的にどのようなものなのでしょうか。建設混合廃棄物・安定型混合廃棄物・管理型混合廃棄物の3つの分類におけるそれぞれの特徴をみていきましょう。
建設混合廃棄物
建設工事現場から排出された廃棄物を「建設混合廃棄物」といいます。建設工事現場で出る廃棄物には、廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず・がれき類といった安定型産業廃棄物とそれ以外の廃棄物が混ざっていることがあり、これを建設混合廃棄物とよんでいます。
建設工事現場から排出される廃棄物が安定型産業廃棄物だけである場合は「安定型建設系混合廃棄物」、先に述べたとおり安定型とそれ以外の廃棄物が混在した建設混合廃棄物を「管理型建設系混合廃棄物」とよぶこともあります。
安定型混合廃棄物
廃棄物として排出される物質の種類は非常に幅広いですが、生活環境に悪影響を及ぼすおそれが少なく、安定型最終処分場で処分可能な廃棄物のことを安定型産業廃棄物といいます。前述の「廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず・がれき類」が該当廃棄物となります。
管理型混合廃棄物
産業廃棄物の中には、埋め立てることで有害物質が染み出すなど環境汚染の恐れがある廃棄物も存在します。こういった廃棄物は管理型産業廃棄物とよばれ、管理型最終処分場で特別な処置を行い処分する必要があります。
まとめ
廃棄物処理業者として事業を行う場合、必要な許可を得る必要がありますが、廃棄物にはいくつかの種類があることや、有害物質の特徴、処分方法の違いなどについて理解しておかなければいけません。
当事務所では、廃棄物収集・運搬・処分に関する許可申請業務の受任経験が豊富であることから、これから事業を始めようとする方への助言や申請サポートを行うことができます。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。