産業廃棄物収集運搬業許可を得るためには、指定の要件を満たしたうえで不備のない申請を行う必要があります。ここでは、産業廃棄物収集運搬業許可の申請を行うために必要な要件や準備内容、申請の流れなどについて説明していきます。
産業廃棄物収集運搬業許可の申請要件と手続きの流れ
産業廃棄物収集運搬業許可の申請を行うために、まずは以下の要件を満たしているか確認しましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可申請で満たしているべき要件
1.運搬に必要な施設等を保有している
取り扱う産業廃棄物が飛散したり悪臭などが漏れたりしないような設備や施設を持っていることが求められます。
【例】
- 収集運搬車両や船舶など
- 駐車場
- 運搬容器(※廃棄物が飛散したり悪臭が漏れたりする可能性がある場合は容器設備が必要)
- 積替え保管を行う場合はそのための場所
特に積替え保管場所に関しては、札幌市ホームページにおいて以下のように記載されています(概略)。十分に注意して環境を整えましょう。
【札幌市における保管要件】
産業廃棄物(施行令第6条、施行規則第8条)、特別管理産業廃棄物(施行令第6条の5、施行規則第8条の13)に則って、囲い・保管場所の掲示・生活環境保全上の支障防止・保管数量の上限・保管期間の上限を満たしていること。
2.収集運搬業を的確に行うことができる知識及び技能を有している
産業廃棄物収集運搬に関し、必要な知識と技術を有していることの証明として、講習会に参加し修了する必要があります。北海道のホームページによると、詳細を担当しているのは北海道産業資源循環協議会か環境総合研究所であり、財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会の案内を参照して参加準備を進めなければなりません。
3.事業を的確かつ継続して実施できる経理的基礎を有している
事業者として営業利益を計上できていることが大原則となります。また、自己資本比率が1割を超えていることも重要です。債務超過に陥っていない状態が求められます。
4.欠格要件に該当しない
産業廃棄物収集運搬業許可を取得しようとする事業者・法人には、適正業務の遂行が可能であることが求められます。したがって、適正業務の遂行おけるリスク要素を排除する必要があり、定められた「欠格要件に係る条項」に該当する場合は許可取得が認められません。これは、新規申請か更新申請かにかかわらず重要な要素となります。
欠格要件については後述します。
産業廃棄物収集運搬業許可申請の具体的な流れ
欠格要件に該当しない場合、以下の流れで許可申請を進めていきます。
講習会の受講
北海道では問い合わせ先として北海道産業資源循環協会などを指定しています。たとえば同協会のホームページによると、「公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターが実施する『産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会』のなかで該当する講習を受講し修了証の交付を受ける」よう促しています。
講習会を受講し修了試験を終えると、およそ2~3週間後に郵送で終了証が届けられます。
添付書類の準備・申請書類の作成
必要な添付書類は事業者によって変わりますが、特に経済状況を伝えるための書類が必要になるでしょう。資産状況がプラスか債務超過の状態かにより、貸借対照表や借入金返済計画書、中小企業診断士の診断書などを用意することも考えられます。
どのような書類が必要になるか、どのように準備すればいいのか、代行依頼するのか検討する必要が出てくるでしょう。許認可申請の専門家は行政書士ですので、一度相談してみることをお勧めします。
許可申請(代行)
必要書類を揃えたら、該当機関に提出し申請を行います。行政書士に依頼する場合は、書類一式を双方確認のうえ申請を任せることになるでしょう。
許可証の交付(申請日より約60日前後)
申請書類の不備や内容に問題がなけれは、申請日から数えておよそ60日後に許可証が交付されます。
欠格要件に該当しないことの確認
欠格要件に該当するかどうかは、廃棄物収集運搬業許可の取得を左右する重要な問題です。ここでは、「欠格要件に係る条項」から抜粋し、これらに該当しないことを確認しましょう。
欠格要件に係る条項(抜粋)
- 心身の故障によりその業務を適切に行うことができない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終えるか執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 廃棄物処理法やその他法令の罪を犯し、罰金刑の刑に処されるかその執行を終え、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 各種法令の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
- 各種法令の規定による許可の取消しの処分に係る通知があった日から処分が決定する日までの間に、その他の許可について、事業の全部廃止の届出を行いその届出の日から5年を経過しない者
上記はあくまでも抜粋になります。要件はさらに詳細に指定されていますので、関連法を参照するか依頼する行政書士の助言のもと十分な確認を行いましょう。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業を始めようとする場合、できるだけ早い許可所得を目指す人が多い傾向にあります。スムーズな許可取得のためには、事前の情報収集を十分に行うこと・不備なく申請を行うために専門家の力を借りることも大切です。
当事務所は札幌市でトップクラスの依頼件数を誇っており、経験に裏付けられた助言や迅速な許認可申請代行を行うことが可能です。早く許可を取りたい、事業立ち上げと同時に許可申請の準備も進めたいといった場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。