人のご遺体は法律上ではモノとして扱われます。そのため、ご遺体を運ぶ霊柩車は運送業許可が必要です。霊柩搬送は葬儀に付随して行われるものだから、白ナンバーで良いような気もしますが、現在は緑ナンバーであることが必要です。
一般貨物自動車運送事業とのちがい
一般貨物自動車運送事業=運送業許可を普通の事業用自動車で取得する場合と霊柩車で取得する場合とでは、要件が一部異なります。具体的には下記の通りです。
霊柩車の場合は
- 車両の数が1台から申請可能
- 1営業所ごとに車両の数が4台までなら運行管理者と整備管理者の選任が不要
- 営業する区域が原則都道府県内に限られる
- 霊柩車として使用するために車両を改造し、構造変更検査に通る必要がある
霊柩車の運送業許可取得の要件
基本的には上記で紹介した異なる部分以外は普通の運送業許可と同様です。
車両の要件
霊柩車として使用可能な車両が1台以上必要です。
営業所の要件
普通の運送業許可と同様に市街化調整区域内は原則NGで、建築基準法、農地法、都市計画法その他法令に抵触しないこと。
車庫の要件
普通の運送業許可と同様です。原則、営業所と併設し、運送業に使用する全ての車両を駐車できるスペースが確保されていて、他の用途で使用している部分との区画が明確にされていること。屋根付きの車庫の場合は市街化調整区域内に設置できません。
資金の要件
事業計画を作成し、かかる費用を計算して、それに十分な資金があることを残高証明書の提出によって証明します。
役員法令試験
申請受付後に常勤の役員の1人が受験し合格する必要があります。
霊柩車の運送業許可でよくあるご質問
Q.柩車の運転には二種運転免許が必要か?
A.二種免許は不要です。なぜならあくまで法律上、ご遺体はモノとして扱われるためです。
Q.自治体ごとに霊柩車の台数制限があるってほんと?
A.そのような制限は現在ありません。
Q.軽自動車を霊柩車にすることは可能か?
A.可能です。ただし、軽自動車の霊柩車用の標準約款が存在しないため自分で約款を作成する必要があります。
まとめ
霊柩事業の運送業許可取得は普通の運送業に比べて一部要件が異なります。車両の台数が1台以上であったり、営業所ごとの車両の台数が4台までなら運行管理者と整備管理者の選任が不要です。そういった点では要件が易しいかもしれません。
しかし、霊柩車としての車両の用意に初期費用としておおよそ1000万円以上はかかるため、車両の準備が普通の運送業に比べて大変かもしれません。霊柩車の運送業許可取得に興味のある方は是非一度ご相談ください。