結論から申し上げますと、自治体や運輸支局によって異なりますが一定の条件を満たせばトレーラーハウスを営業所として使用することは可能です。現在、トレーラーハウスを運送業の営業所として認める自治体や運輸支局が多いです。ですが、念のためトレーラーハウスを営業所として使用できるかお近くの運輸支局に確認することをお勧めします。
トレーラーハウスが営業所として認められるならば、車庫内や市街化調整区域内にも営業所を設置できるため選択肢が広がります。ではどのような条件を満たせば、車庫内や市街化調整区域内でトレーラーハウスを営業所として使用できるのでしょうか?
トレーラーハウスを営業所として使用する条件
トレーラーハウスを車庫内や市街化調整区域内で営業所として使用することができるのは、あくまでトレーラーハウスが建築物ではなく車両を利用した工作物だからです。建築物として認められてしまうと車庫内や市街化調整区域内で営業所として使用することができません。トレーラーハウスが建築物として認められない条件は以下の通りです。(ケースによって多少異なります。)
- トレーラーハウスをいつでも自由に移動させることができる状態で設置し、その状態を維持継続すること。
- トレーラーハウスが公道を適法に走ることができることを証明する書類を提出すること。
これらの条件を満たせば車庫内や市街化調整区域内で営業所として使用可能となります。上記の公道を適法に走るための証明書類について詳しく見ていきます。
トレーラーハウスを営業所として使用するために提出する書類
トレーラーハウスを運送業許可の申請において営業所として使用する場合、下記の書類の提出が必要となります。
- トレーラーハウス設置検査報告書(トレーラーハウスを設置した後に一般社団法人日本トレーラーハウス協会などの協会に検査してもらい発行してもらいます。)
- トレーラーハウス登録証明書(使用者が誰かを証明するものです。これも協会に発行してもらいます。)
- 譲渡証明書(譲渡の場合)
- トレーラーハウス注文書及び領収書又はリース契約書
- トレーラーハウス設置状況写真
- 各種宣誓書
- その他、規模により保安基準緩和認定などが必要になる場合あり
トレーラーハウスに車検は必要か?
必要です。トレーラーハウスは車両を使用した工作物ですが、公道を走る車両であることに変わりはありません。設置したトレーラーハウスをいつでも移動できることを証明するためにも申請時において車検証は必須です。
トレーラーハウスの価格は?
トレーラーハウスの大きさによって異なりますが、小さいもので300万円~大きいもので500万円~が平均価格です。費用を抑えたい場合は中古での購入も検討してみて下さい。
設置にかかる期間
市町村や地方自治体へのトレーラーハウス設置申請から車検・ナンバー取得、車庫への設置、その他工事(電機など)までで、おおよそ1か月はかかります。
トレーラーハウスを営業所として使用するメリット・デメリット
メリット
- 市街化調整区域内に営業所を置くことができる。車庫敷地内で点呼やその他管理を完結させることができる。
- 市街化調整区域内であれば、土地の取得費用や賃料などが安く済む可能性がある。
- 車両を利用した工作物であるため固定資産税がかからない。
デメリット
- 地域により異なるが、トレーラーハウスを設置する車庫内に違法建築物があった場合撤去する必要がある。
- 定期的な車検が必要。そのため、車検費用や搬送費用がかかる。
- 一括購入した場合、賃貸アパートなどを営業所とするよりも初期費用がかかってしまう。
トレーラーハウスを購入する際に注意すること
購入する業者について
トレーラーハウスの購入は一般社団法人日本トレーラーハウス協会に加盟している業者から行うようにしてください。加盟店であれば、トレーラーハウスを営業所として使用する場合のノウハウを持っています。そのため、地方自治体や運輸支局とのやり取りスムーズです。
トレーラーハウスを設置する車庫について
トレーラーハウスは購入後、車庫まで陸送し、車庫内に搬入します。トレーラーハウスを搬入するための車庫の出入り口や通路が必要です。購入後、車庫内に搬入できないなんてことにならないために、トレーラーハウスを搬入することができるだけの車庫の出入り口や通路が確保されているか事前にチェックしましょう。
まとめ
トレーラーハウスは市街化調整区域内でも営業所を設置できるという点が最大の特徴です。ですが、普通に建物を営業所として使用する場合とは違った特殊な条件があるため複雑ですし、初期費用もかかってしまいます。もし、市街化調整区域内や車庫内にトレーラーハウスを営業所として設置したい場合は専門家や日本トレーラーハウス協会にご相談することをお勧めします。