産業廃棄物のなかには有害物質を発するものも含まれることから、当該事業で排出された産業廃棄物は運搬までの間適切に管理されなければなりません。廃棄物処理法では保管方法について基準を設けていることから、法を遵守した形で保管を行う必要があります。ここでは、産業廃棄物の排出事業者が守るべき保管基準や保管方法などについて説明していきます

 

札幌市における産業廃棄物の保管基準

札幌市によれば、市内で産業廃棄物を排出・保管する場合は以下の基準にしたがい適正な対応を行うことを求めています。ここでいう「保管」とは、産業廃棄物が排出され運搬を経て適切に処理されるまでの工程を指しており、周辺の生活環境を乱すことがないよう基準を満たす保管施設で処理することが重要としています。

 

なお、産業廃棄物の処分先や処分方法がきちんと計画・実行されていない場合は、不法投棄あるいは不適正処理とみなされることがあるので十分に注意しましょう。以下、札幌市環境局環境事業部事業廃棄物課を参照し整理します。

 

産業廃棄物の保管基準

【囲い】

  • 保管場所の周囲に囲いが設置されていること。
  • 直接囲いに負荷がかかる構造であれば、その重さ対して構造耐力上安全で囲いが変形したり破損したりするおそれがないこと。

 

【保管場所の掲示】

  • 見やすい場所に次の要件を満たす縦・横それぞれ60cm以上の掲示板を設置すること。
  1. 産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の保管場所である旨
  2. 保管する産業廃棄物また又は特別管理産業廃棄物の種類
  3. 保管場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
  4. 屋外において容器を用いずに保管する場合の最大積み上げ高さ

bについては、当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀含有ばいじん等又は水銀使用製品産業廃棄物が含まれる場合はその旨を記載する。

 

産業廃棄物保管上の注意点

【生活環境保全上の支障防止】

  • 保管に伴い汚水が出る可能性がある場合は、公共の水域及び地下水を当該汚染から保護するため、必要な排水設備等を設けるとともに、底面を不透水性の材料で覆うこと。
  • 屋外で容器を使わず保管する場合は定められた高さを超えないようにすること。
  • 保管の場所にねずみ・蚊・はえなど害虫が発生しないようにすること。
  • 石綿含有産業廃棄物、水銀含有ばいじん等、他の廃棄物が水銀使用製品産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物に混合しないよう仕切りを設けること。
  • 特別管理産業廃棄物の廃油、PCB汚染物、PCB処理物は、容器に入れ密閉するとともに、その他揮発防止及び温度上昇防止のために必要な措置を行うこと。
  • 特別管理産業廃棄物の廃酸・廃アルカリは、当該廃酸、廃アルカリによる腐食を防止するために容器への密閉など必要な措置を講じること。
  • PCB汚染物、PCB処理物は、腐食防止のために必要な措置を講じること。
  • 特別管理産業廃棄物の廃石綿等は、飛散防止のために梱包など必要な措置を講じること。
  • 特別管理産業廃棄物の廃水銀等は、飛散、流出又は揮発防止のための措置、高温にさらされないための措置及び腐食防止措置をとること
  • 腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物は、腐敗防止のために必要な措置を講じること。

 

【保管数量の上限】

  • 1日当たりの平均搬出量の7日分を上限とする。
  • 処理能力の14日分を上限とする。

 

【保管期間の上限】

  • 処理施設において適正な処分又は再生を行うためにやむを得ないと認められる期間を上限とする。

 

まとめ

産業廃棄物取り扱いに関するルールは非常に細かく、各自治体による注意事項もきちんと考慮しなければなりません。札幌市でトップクラスの依頼件数を誇る当事務所であれば、産業廃棄物の収集運搬・処分について多角度的にサポートしますので、まずは一度お気軽にお問い合わせください